虫歯治療
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天然歯の保存に努めた低侵襲な虫歯治療をご提供します
永研会クリニック歯科では、患者さんにご自分の歯で生涯を生活していただくため、できるだけ「削らない・抜かない・痛みの少ない」低侵襲な虫歯治療を心がけ、天然歯の保存に努めています。
保険の虫歯治療はどれくらい歯がもつのか?
歯科保健治療を受けた場合、どれくらいその歯が長持ちするのでしょうか?これを実際に調べた調査結果が以下の表になります。
▼一般的な保険治療を行った場合の修復物の耐用年数
治療方法 | 2次虫歯 | 脱離 | 歯髄炎 | 平均使用年数 |
---|---|---|---|---|
コンポジットレジン充填 (プラスチックのつめ物) |
5.1年 | 3.3年 | 5.6年 | 5.2年 |
インレー (金属のつめ物) |
5.8年 | 4.1年 | 5.3年 | 5.4年 |
クラウン (金属のかぶせ物) |
8.2年 | 6.2年 | 8.9年 | 7.1年 |
ブリッジ | 10.1年 | 6.2年 | 7.5年 | 8.0年 |
アマルガム充填 | 7.4年 | 8.4年 | 6.0年 | 7.4年 |
森田 学 他:歯科修復物の使用年数に関する疫学調査(岡山大学予防歯科)
日本口腔衛生学会雑誌45(5):1995より
上記のように保険治療の多くは、10年以内に再治療が必要となる可能性が高いといえます。当院では再発リスクを軽減するため、自費での修復も行っておりますので、何度も同じ歯を治療されている方、できるだけ長持ちさせたいという方はお気軽にご相談ください。
虫歯の状態と当院が実施する治療について
虫歯の原因は歯垢(プラーク)として歯に付着している細菌(主にミュータンス菌)であり、通常これが虫歯菌と呼ばれています。虫歯菌は食事をした際に食物内の糖質(特に砂糖)を取り込み、酸を作り出すことにより、歯の主成分であるカルシウムやリン酸を溶かし、虫歯を発症させてしまいます。
尚、右図は歯質、虫歯菌、食べ物の3つの要素を加えた相関図であり、ぞれぞれが重なり合う部分が大きいほど虫歯になりやすいです。(時間の経過と共に重複面積が増えると云えます)
当院では治療のみならずブラッシング指導や生活習慣等、患者様個々人に合った改善方法をご提案することで、この重なり合う面積(リスク)を少なくするお手伝いをいたします。
【C0】【C1】初期虫歯
C0は虫歯菌の出す酸で歯の表面が溶け始めた「脱灰」という状態、C1は歯のエナメル質が虫歯になった状態でどちらも初期の虫歯に分類されます。初期段階の虫歯は基本的には歯の切削は行わず、フッ素塗布やブラッシング指導によって歯の修復機能である「再石灰化」を促すことによって症状を改善することができます。
※C1の状態で歯の色が気になる場合など、症状によっては歯を最小限に削り、つめ物で修復する場合もあります。
フッ素塗布
高濃度のフッ素を歯面に塗り、歯質を強化します。フッ素には虫歯菌の活動を抑制したり、歯を修復する「再石灰化」を促す働きがあるため、初期虫歯の改善や症状悪化防止に効果的です。
正しい歯磨き方法の指導
毎日のセルフケアの質を向上するため、正しい歯磨き方法を指導します。適切なブラッシングをはじめ、フロス、洗口液などのケア用品を活用することで再石灰化を促し、虫歯の症状を改善します。
PMTC
歯科医院で実施する歯のクリーニングです。歯磨きでは取り除くことができない歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を、専用器具を用いて除去します。口腔内を衛生的に保つことで虫歯の進行を防ぎます。
【C2】象牙質の虫歯
歯の一番外側にあるエナメル質を溶かし、象牙質に虫歯が進行した状態です。虫歯が神経に近くなるにつれて痛みを感じたり、歯がしみたりします。象牙質は柔らかく虫歯の進行が早いという特徴があるため、早めの処置が重要となります。
歯の切削に痛みを伴う可能性が高い場合には、麻酔注射を施し、できるだけ歯を削らないよう低侵襲な処置に努めています。歯を削った部分の修復には、患者さんのご要望や体質を考慮した適切な素材・治療法をご提案します。
う蝕検知液での染め出し
う蝕検知液を用いて虫歯感染歯質の染め出しをします。健康な歯質と虫歯感染歯質を目でしっかりと確認できるため、無駄な切削を抑え、天然歯を多く残すことができます。
拡大視野での精密な切削
治療の際には、歯科拡大鏡やマイクロスコープを用いた拡大視野の下で精密な切削を心がけています。健康な歯質と虫歯感染歯質の境目を視認しながら、的確な切削を実施します。
エキスカで繊細な処置
虫歯に感染した歯は軟化するため、細部の処置をドリルで行うと健康な歯質まで削ってしまう可能性があります。そのため、細部の切削には手動のエキスカベーターという器具を用いて、繊細な処置を心がけています。
MTAによる神経の保護
神経周辺の虫歯によって神経に炎症が起きたり、切削時に神経が露出したりした際にはMTAセメントを用いた覆髄治療を実施します。殺菌効果の高いMTAセメントで神経を覆って保護することでできる限り神経を残すよう努めています。
【C3】神経にまで進行した虫歯
象牙質を溶かし、歯の神経にまで虫歯が進行した状態です。神経が炎症を起こすことにより、何もしていない状態でも強い痛みを伴います。
症状を改善するため、虫歯菌に感染した神経や血管を取り除き、殺菌して封鎖する根管治療を実施します。重度の虫歯は将来的な抜歯リスクが高めてしまうため、できるだけ早めの治療をおすすめします。
【C4】歯根だけが残った状態の虫歯
虫歯で歯の大部分を欠損し、歯根のみが残っている状態です。神経は死んでいるか、既に取り除いているため、痛みを感じることはありませんが、症状によっては膿が出たり歯茎やリンパ線が腫れたりする場合があります。ここまで虫歯が重症化すると抜歯リスクも非常に高くなります。
このような場合にはもう一度、根管治療を行い、症状の改善を試みます。通常の根管治療だけでは、症状の改善が難しい場合には以下の方法を併用し、できる限り天然歯の保存に努めています。
歯根端切除術の実施
歯の根の先に細菌感染が起こり、膿が溜まる根尖病変は、通常の根管治療では改善が難しいため、歯根端切除術という外科処置を実施します。歯肉を切開後、膿の摘出と感染した歯根部分を切除することで正常な状態へ戻し、歯を抜歯から守ります。
エクストリュージョン
歯肉より上に歯質が残ってない歯は、かぶせ物を装着しても安定しないため、抜歯と診断されることも少なくありません。そのため当院では、歯茎に埋まった歯をエクストリュージョンという矯正処置で引っ張り上げ、かぶせ物との長期安定を実現することにより、天然歯の保存に努めています。
重症化しやすい大人虫歯「根面う蝕」に注意しましょう
「根面う蝕」とは歯の根元部分にできる虫歯です。加齢や歯周病によって歯茎が下がると歯根部分が露出するため、歯の根元部分が虫歯になりやすくなります。
歯の根元部分は柔らかい象牙質でできています。象牙質はエナメル質に比べて、虫歯になりやすく進行が早いため、重症化する可能性が高いことが特徴です。
歯の隙間に食べ物が挟まりやすくなったり、歯がたまにしみたりする場合は歯茎が下がり、歯根部分が露出し始めている可能性があります。歯科医院にて検査・適切な処置を受け、根面う蝕の予防に努めましょう。
調布市仙川で進行状況に合わせた低侵襲な虫歯治療をご希望の方へ
永研会クリニック歯科では、患者さんの大切な歯を少しでも多く維持していただくため、できるだけ「抜かない・削らない」低侵襲な処置を心がけ、患者さん一人ひとりの症状に適した虫歯治療に努めています。調布市仙川で天然歯の保存にこだわった低侵襲な虫歯治療をご希望の方はぜひ、当院までお気軽にご相談ください。